- 投稿日: 2024/12/18
- 更新日: 2024/12/18
マンションの漏水調査|費用や作業内容は?
「マンションで水漏れがしているかも…」「原因が分からず困っている…」そんな悩みをお持ちのマンション住民の方必見!
本記事では、マンションにおける漏水調査について、費用相場から調査方法、適切な対応まで詳しく解説します。マンションの漏水は、放置すると内装の劣化や隣室への被害拡大など深刻な問題に発展する可能性も。
早期発見・早期対応が重要です。この記事を読めば、漏水発生時の適切な対応方法や、信頼できる調査業者選びのポイントが理解できます。さらに、調査費用や調査方法、原因特定、そしてマンション共用部の漏水調査についても詳しく解説しているので、安心して対応できます。
マンション漏水調査とは?
目次
住居における水回りトラブルとして、漏水は非常に厄介な問題です。蛇口などの目に見える部分からの水漏れは容易に認識できますが、壁や床内部など、目視で確認できない箇所での漏水も決して少なくありません。
マンションなどの集合住宅では、特に、隣家との間や、建物の構造上の問題によって、漏水が発生しているにもかかわらず、原因特定が困難なケースも発生します。このような状況では、専門業者による漏水調査が必要となります。
漏水調査は、水漏れ箇所を特定し、その原因を突き止めるための調査です。調査によって、漏水箇所の修理や、さらなる被害拡大の防止に役立ちます。
マンションで漏水に気づくサイン
マンションにおいて、漏水に気づくタイミングは、主に以下の3つのケースが考えられます。
- 水道料金が著しく高額になっている場合
- 床や壁の一部が濡れている、または暖かくなっている場合
- 水道局から漏水の指摘を受けた場合
水道局からの指摘は、通常、極端に水量が多いことが検知された際に発生します。そのため、水道局からの指摘を受ける前に漏水に気づくことが重要です。毎月の水道料金を確認し、床や壁に不自然な湿気や温度変化がないかチェックしましょう。また、水道局から漏水の指摘を受けた場合は、放置せずに早急に漏水調査を実施し、原因を特定して適切な修理を行うことが重要です。漏水が居住者の責任によらない場合は、迅速な対応によって、高額になった水道料金の一部が減額される可能性のある「減免制度」の利用を検討することができます。
漏水発見!マンションでの適切な対応
マンションで漏水が発生した場合、まずは管理会社に連絡することが重要です。管理会社は、漏水の原因調査や修理の手配など、迅速な対応を図ってくれるでしょう。もし、漏水の原因が居住者の責任ではないと判明した場合、修理費用は管理会社が負担するのが一般的です。
しかし、居住者が勝手に業者を手配してしまうと、たとえ居住者に責任がない場合でも、調査や修理にかかった費用を負担しなければいけないケースがあるので注意が必要です。
居住者の責任による漏水の発生時でも、火災保険の特約で費用がまかなえる場合があります。いずれにしても、漏水が発見された際には、速やかに管理会社に連絡し、指示に従うことが大切です。
マンション漏水放置のリスク
マンションで漏水を放置すると、深刻な問題を引き起こす可能性があります。 特に、健康被害と構造上の被害は、居住者の安全と建物の安定性に大きな影響を与えます。 これらのリスクについて、詳しく見ていきましょう。
漏水は、建物の湿気を高め、カビやダニの繁殖を助長します。 これらの微生物は、アレルギーや喘息などの呼吸器疾患、皮膚炎などの皮膚疾患の原因となる可能性があります。 特に、免疫力の低い子供や高齢者は、健康被害のリスクが高まります。
漏水は、建物の構造を損なう可能性があります。 水は、鉄筋やコンクリートを腐食させ、建物の強度を弱める原因となります。 また、漏水によって床や壁が腐り、建物の傾きや崩壊につながる可能性もあります。 放置すると、建物の安全性が損なわれ、最悪の場合、倒壊や崩壊のリスクが高まります。
マンションの漏水は、放置すると健康被害や構造上の被害など、様々なリスクを招きます。 漏水に気づいたら、早急に専門業者に修理を依頼することが重要です。 早期の対応が、安全な居住環境を守るために不可欠です。
水漏れによる内装の劣化
マンションにおける漏水問題は、放置すると深刻な被害をもたらす可能性があります。漏水箇所が床や壁の内側にある配管の場合、表面に現れた水は一時的に拭き取っても、内部は常に湿った状態が続きます。この状態が続くと、床材や壁紙の素材が徐々に劣化し、シミやカビが発生するだけでなく、腐ってしまうケースも考えられます。特に賃貸物件では、漏水に気づいて放置した場合、原状回復費用として高額な請求がなされる可能性があるため、注意が必要です。
隣室への被害拡大の可能性
マンションは、隣室との間には壁、下階との間には床が共有されています。そのため、漏水が発生すると、これらの共有部分を通して、隣室や下階にまで水が浸透する可能性があります。水は壁や天井に染み込み、カビの発生原因にもなりかねません。
さらに、漏水が深刻化すると、近隣の家具や家電に損傷を与える可能性も考えられます。このような事態は、隣室や下階の居住者から、さらには管理会社から損害賠償請求を受ける可能性につながるため、注意が必要です。
マンションで漏水の疑いがある場合は、早急に管理会社に連絡し、専門業者による漏水調査を実施することが大切です。早期に原因を特定し、適切な対策を講じることで、二次被害を最小限に抑え、トラブルを回避することができます。
マンション漏水調査方法と流れ
マンションにおいて漏水調査を依頼する際は、管理会社を通じて行う場合でも、自ら業者を手配する場合でも、最初に実施されるのが漏水基本調査です。
漏水基本調査では、以下の項目について調査が行われます。
- 漏水の発生場所の特定
- 漏水原因の特定
- 修繕にかかる費用の概算
漏水の発生場所を特定するためには、以下の方法が用いられます。
- 水道メーターの検針
- 水道管の音を聴き取る聴音調査
- 赤外線カメラを用いた調査
漏水原因の特定には、以下の方法が用いられます。
- 水道管の劣化状況の確認
- 配管の破損状況の確認
- 水道メーターの故障状況の確認
修繕費用の概算は、漏水の発生場所や原因によって異なります。漏水の発生場所と原因を特定した上で、修繕費用の概算が算出されます。
メーター確認調査:漏水量のチェック
マンションの水道メーターは、多くの場合、玄関の外側に設置されています。具体的には、各住戸の玄関ドアの左右にある扉の中に設置されているケースが多いです。この扉で囲まれたスペースはパイプスペースと呼ばれ、水道メーターの他に、水道の元栓も設置されています。そのため、万が一、水漏れが発生した場合に備え、水道メーターと元栓の場所を事前に確認しておくことが重要です。
水道メーターの漏水チェックは、メーターのパイロット(銀色の部品)の回転や液晶画面のマークの点滅、数値の変化などを確認することで行います。水道を使用していない状態でのこれらの変化は、漏水の可能性を示唆するサインです。もし、これらの変化が見られた場合は、早急に専門業者に連絡して調査してもらうことをおすすめします。
設備点検:目視による漏水箇所特定
設備の目視調査は、設備の点検方法の一つであり、専門家が各設備に漏水がないか、目視で確認を行います。調査では、蛇口などから水が漏れていないか、壁や床に水漏れによる染みやカビが発生していないかを重点的に確認します。設備の状況や状態を総合的に判断することで、早期の漏水発見に繋げることが可能です。
耐圧試験:配管の強度チェック
給水管や給湯管の耐圧試験調査は、配管に圧力をかけて漏水がないかを確認する検査方法です。配管の素材にもよりますが、加えた圧力が、亀裂や穴がない状態であれば、ほぼ一定に保たれるのが一般的です。そのため、加圧後に圧力が低下した場合、配管のどこかに漏水が発生している可能性が高いと言えるでしょう。この調査方法は、漏水調査の基本的な方法であり、漏水の有無を確認する上で非常に有効です。
しかし、目に見えない部分で漏水が発生している場合、基本的な調査だけでは、漏水箇所の特定は難しい場合があります。そのため、より詳細な調査が必要になる場合もあります。
マンション漏水調査:原因特定
マンションの専有部の漏水調査では、漏水箇所の特定のために、いくつかの調査方法が用いられます。初期段階では、漏水の発生源を特定するため、基本調査が行われます。しかし、基本調査だけでは漏水箇所の特定が難しい場合もあります。
専門業者が原因を特定するためには下記のような調査を行なう場合がございます。
- 音響調査
- トレーサーガス調査
- 内装解体調査
これらの調査方法に加え、赤外線カメラ調査や内視鏡調査なども、漏水箇所の特定に役立ちます。複数の調査方法を組み合わせることで、より正確に漏水箇所を特定することが可能です。
音響調査:音で漏水箇所を特定
漏水調査は、専門的な機器を用いて、発生する音から漏水箇所を特定する調査方法です。音調棒と呼ばれる専用の器具を使用して音を増幅して聞き取ったり、漏水探知機で電気的に漏水音を検知したりすることで、漏水の発生源を突き止めます。床下や壁の中など、目視では確認できない箇所における漏水の特定に有効です。
トレーサーガス調査:特殊なガスで追跡
漏水箇所の特定には、トレーサーガス調査という手法が用いられます。この調査では、特殊なガスを配管内に充填し、漏出箇所から放出されたガスを検知器で探知することで、漏水の発生源を正確に突き止めます。ただし、マンションによっては、建物の構造や設備の状況によって、トレーサーガス調査の実施が制限される場合があります。調査を依頼する前に、事前に調査の実施可否を確認することが重要です。
内装解体調査:漏水箇所の特定
マンションにおける漏水箇所の特定には、内装解体調査が有効な手段の一つです。これは、床や壁を解体し、配管を直接目視できる状態にすることで、漏水箇所を正確に特定することを可能にする方法です。内装解体調査は、隠れた配管の状況を把握し、的確な修理を施せるという利点があります。しかし、内装解体には費用と時間がかかる点に注意が必要です。また、解体後の復旧作業も必要となるため、漏水箇所の特定と修理には、相応の負担が伴います。緊急性の低い漏水の場合には、内装解体調査の実施について、慎重に検討することが重要です。
マンション共用部の漏水調査
マンションの共用部における漏水調査は、複数の段階を経て行われます。まず、受水槽や各住戸の止水栓を調査することで、漏水の発生源を特定しようとします。これは、受水槽が水源から供給された水を一時的に貯蔵していることから、漏水箇所の絞り込みに役立ちます。
その後、専有部と同様に音調調査やトレーサーガス調査が実施されます。音調調査は、漏水による水滴の落下音などを聞き取ることで、漏水箇所の推定を行う調査です。トレーサーガス調査は、特殊なガスを用いて、漏水箇所の特定を行う調査方法です。これらの調査結果を総合的に判断し、漏水箇所が特定されます。
場合によっては、漏水箇所の特定のため、床、天井、壁面を解体する掘削解体調査が必要となる場合があります。掘削解体調査は、漏水箇所を直接目視で確認することができるため、的確な修理の実施が可能となります。しかし、掘削解体調査は、内装解体調査と同様に、コストと時間がかかるだけでなく、元の状態に戻すにも時間を要するため、慎重な検討が必要です。
- 受水槽・専有部止水調査
- 音調調査
- トレーサーガス調査
- 掘削解体調査
マンション漏水調査の費用相場
マンションにおける漏水調査は、戸建て住宅に比べて複雑な配管構造を持つため、調査費用が高額になる傾向があります。漏水調査の費用は、調査方法や規模によって大きく異なります。基本的な調査である漏水基本調査は、通常10,000円から15,000円の費用がかかります。業者によっては、出張費が別途発生する場合もあります。
漏水基本調査に加えて、音調調査やトレーサーガス調査などの追加調査を行う場合は、さらに費用がかかります。音調調査は10,000円から30,000円、トレーサーガス調査は30,000円から50,000円の費用が目安です。内装解体調査や掘削解体調査は、マンションの規模や工事範囲によって費用が大きく変動するため、事前に業者に問い合わせて見積もりを取る必要があります。
マンションの漏水調査では、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが重要です。費用だけでなく、業者の実績や対応の良さなども考慮して、信頼できる業者を選びましょう。
マンション漏水調査のまとめ
マンションの漏水は、放置すると内装の劣化や隣室への被害拡大につながる可能性があります。早期発見・修理が重要です。漏水に気づいたら、まずはメーター確認調査や設備点検など、適切な調査を行い、原因を特定することが大切です。生活水道センターでは、音響調査やトレーサーガス調査など、様々な調査方法を用いて、漏水箇所の特定を支援します。マンションの漏水でお困りの際は、お気軽にご相談ください。