- 投稿日: 2024/06/17
- 更新日: 2024/06/17
蛇口から水が漏れる原因と対処法|自分で修理するときの注意点
「蛇口から水が漏れているけどどうすればよいの?」「原因や対処法を教えて欲しい」などと考えていませんか。突然のトラブルに、戸惑っている方は多いでしょう。
基本の応急処置は、止水栓を閉めて水の供給をストップすることです。水漏れが止まれば、落ち着いて原因、対処法を探れます。ここでは、蛇口から水が漏れる主な原因と基本的な対処法、自分で対処するときの注意点、専門業者へ依頼するメリットなどを解説しています。
突然のトラブルでお困りの方は参考にしてください。
目次
蛇口の水漏れが起こる原因
蛇口からの水漏れは、さまざまな原因で起こります。中でも多いのがパーツの劣化です。ここでは、考えられる主な原因を紹介します。(※対処法は「蛇口の水漏れが起きた際の対処法」で解説しています。目の前のトラブルに今すぐ対処したい方は、こちらを参考にしてください)
コマパッキンの劣化
吐水口から水が漏れているときは、コマパッキンのトラブルが考えられます。コマパッキンは、蛇口の中に組み込まれているコマのような形状をしたパーツです。蛇口と連動して回転、上下することで水の流れを調整しています。この部品が劣化すると、蛇口を閉めても完全に密閉できなくなります。したがって、吐水口から水が漏れてしまうのです。経年で劣化するため、定期的な交換を求められます。
三角パッキンの劣化
ハンドル付近から水がでているときは、三角パッキンのトラブルが考えられます。三角パッキンは、蛇口ハンドルの下に取り付けられている三角形のパッキンです。接続部から水が漏れだすことを防いでいます。経年などで劣化すると、亀裂などが生じて隙間から水が漏れでます。三角パッキンも、定期的な交換が必要です。
Uパッキンの劣化
蛇口スパウト(水がでるパイプ)の根元から水がでているときは、Uパッキンのトラブルが考えられます。Uパッキンは、U字型をしたパッキンです。本体と蛇口スパウトの接続部に取り付けられ、ここからの水漏れを防いでいます。経年などで劣化すると、隙間が生じるため水が漏れてしまいます。
シールテープの劣化
蛇口の付け根部分から水漏れする場合は、シールテープのトラブルが考えられます。シールテープは、配管の接続部に使用するテフロン製のシールです。接続箇所の密着性を高めて水漏れを防ぎます。シールテープが劣化した場合も隙間ができるため、原則として定期的な巻き直しが必要です。
蛇口の水漏れを放置するリスク
蛇口からの水漏れは、さまざまなトラブルを引き起こす恐れがあります。ここからは、放置するリスクを解説します。
体調不良につながる
適切な対処を怠ると、ケースによっては体調不良につながります。主な原因は、室内の湿度が上昇するためです。湿度が高くなると、汗が蒸発しにくくなるため、体の熱を外へ逃がしにくくなります。したがって、夏場は熱中症のリスクが高まります。ちなみに湿度は、熱中症の危険度を評価する「暑さ指数」を構成する要素のひとつです。 また、室内の湿度が上昇すると、カビやダニも繁殖しやすくなります。室内に溜まったカビ、ダニ、花粉、繊維くずなどをハウスダストといいます。これらが体内に侵入すると、体質によっては鼻水、クシャミ、目のかゆみ、皮膚炎などのアレルギー症状が引き起こされます。
住宅が腐食する
適切な対処を怠ると、住宅の柱、基礎などが腐食する恐れもあります。漏れだした水が、木材を湿らせてしまうためです。木材を腐らせる木材腐朽菌は、湿った環境を好みます。具体的には、空気中の湿度が高く、木材の含水率が20%以上だと発生リスクが高まります。水漏れしている箇所の周辺は、このような環境になりやすいため十分な注意が必要です。 また、白アリも高温多湿な環境、湿った木材を好みます。白アリは、木材をエサにする害虫です。トラブルが起きている場所によっては、木材が常に湿った状態になるため、白アリのリスクが高まります。できるだけ早く修理などの対策を講じるほうがよいでしょう。
カビや雑菌が繁殖する
トラブルを放置すると、カビやダニ、雑菌も繁殖しやすくなります。住宅内の湿度が高くなるためです。たとえば、カビは温度20~30度、湿度60%以上で発生しやすくなります。気密性の高い住宅は、湿度が特に高くなりやすいため注意が必要です。 これらの影響はケースにより異なります。カビが大量に発生すると、見た目が悪くなってしまいます。賃貸住宅の場合は、原状回復を求められることもあるでしょう。カビ、ダニ、雑菌が大量に発生して、体調を崩すことや異臭が発生することも考えられます。不衛生な環境になってしまう点もポイントです。水漏れを放っておくことはおすすめできません。
水道料金が増加する
水漏れが続くと、原則として使用水量は増えます。水道料金は、固定的にかかる基本料金と使った水の量に応じてかかる従量料金で構成されます。水の使用量が多いほど、料金単価が高くなる点も見逃せません。したがって、使用水量が増えると水道料金は高くなります。 大した症状ではなくても、継続的に水が漏れ続けると、相当量の使用水量になることがあります。水道料金が急激に高くなることがあるため注意が必要です。また、目視できない箇所で水漏れが生じて、水道料金が高くなるケースもあります。認識している使用水量と水道料金にずれが生じている場合はトラブルに注意が必要です。
地盤沈下の原因になる
蛇口ではなく、水道管、排水管でトラブルが生じている場合は、地盤沈下を引き起こす恐れがあります。漏れだした水が周辺の土を削り空洞を作ってしまうためです。ここに、上から土が流れ込むと地盤沈下が起こります。 被害の規模はケースで異なりますが、大きな穴が開いてしまうこともあります。穴が開く場所によっては、駐車していた自動車のタイヤが落ち込むなどのトラブルも考えられるでしょう。大きな事故につながる恐れがあるため軽視はできません。水道料金が急に高くなったときなどは、水道管や排水管から水漏れしている可能性を考慮する必要があります。
近隣住民とのトラブルにつながる
集合住宅に住んでいる場合は、階下の住民などとトラブルになることがあります。水漏れの影響が近隣住宅まで及ぶためです。たとえば、漏れだした水が床にしみこみ、階下の部屋の天井や壁から染みでるなどが考えられます。漏れでる水の量や放置している時間によっては、部屋の天井を落としてしまうこともあるでしょう。相手の家財などに被害を与えると、損害賠償を求められることが考えられます。以上から分かるとおり、水漏れの影響は住宅内にとどまらない恐れがあります。被害の大きさを理解して適切に対処することが重要です。
蛇口の水漏れが起きた際の対処法
続いて、蛇口から水が漏れているときの対処法を解説します。
止水栓・元栓を閉める
蛇口から水が漏れていると、まずは水を止めたいと考える方が多いでしょう。水は止水栓を閉めると止められます。止水栓は、水道管から家庭内に供給された水の流れを調整する設備です。止水栓はハンドルで締めるタイプとマイナスドライバーで締めるタイプに分かれます。水の止め方は次のとおりです。 【水の止め方】
- 給水管をたどって止水栓を見つける
- 手またはマイナスドライバーで右方向に回して止水栓を閉める
- 2で回した回数を覚えておく
回数を覚えておく理由は、復旧後に止水栓を再び開くためです。回数を覚えておくと元の状態に戻せます。 止水栓を見つけられない場合は元栓を閉めるとよいでしょう(元栓より先の水を使い切ると水漏れはとまります)。元栓は、水道メーターの周辺に取り付けられていることが一般的です。ただし、元栓を閉めると住宅に対する水の供給が一時的にストップします(集合住宅は他の住宅に対する水の供給も一時的にストップすることがあります。管理会社に相談してから行ってください)。影響を考えてから使用しましょう。
水道メーターを確認する
水漏れの「疑い」がある場合は、現状の確認に努めます。基本的な確認方法は次のとおりです。 【確認方法】
- 住宅内の蛇口を全て閉める
- 給水が行われている設備がないことを確認する
- 水道メーターのパイロットを確認する
パイロットは、水道メーターに取り付けられている銀色の丸いパーツです。水が流れていると右方向へ回転します。したがって、水を使用していないにもかかわらず、パイロットが回転している場合は水漏れしているといえるでしょう。 水道メーターの設置場所は住宅で異なります。戸建ての場合は庭や駐車場、集合住宅の場合は玄関脇(配管スペース)に設置されているケースが一般的です。
水漏れが起きた場所を特定する
どこで水漏れしているかわからないときは、次の方法で問題が起きている箇所を特定します。 【場所の特定】
- 濡れてもよいタイルを用意する
- 疑わしい箇所の蛇口についている水滴を1のタオルできれいに拭き取る
- しばらく放置してから状況を確認する
放置してから確認したときに、蛇口やその周辺が濡れている場合はそこから水漏れしていると考えられます。この方法で場所を特定できないときは、次の方法を試すとよいでしょう。 【場所の特定】
- 住宅内にあるすべての蛇口と止水栓を閉める
- 1カ所だけ止水栓を開ける
- 水道メーターのパイロットを確認する
- 2の止水栓を閉めて別の止水栓を1カ所だけ開ける
- 水道メーターのパイロットを確認する
- 4、5を繰り返して場所を特定する
上記の作業でパイロットが動いた場所から水漏れしていると考えられます。
管理会社に連絡する
水漏れに気づいたときの対処法は、持ち家と賃貸住宅で異なります。持ち家は自分で対処、賃貸住宅は管理会社へ連絡します。管理会社へ連絡する理由は、原則として貸主が修理の責任を負うためです。また、賃貸住宅は貸主の所有物であるため、借主が勝手に修理することはできません。勝手に修理すると、修理費用を請求できない恐れがあります。借主が設備などの不具合に気づいたときに、これを速やかに報告する義務を負っている点もポイントです。 ちなみに、急迫の事情があるときや貸主が必要な修理を行ってくれないときは、借主による修理が認められます。この場合の修理費用は、必要な範囲に限り貸主へ請求できます。とはいえ、無用なトラブルを避けるため、まずは管理会社へ連絡することが重要です。
自分で修理ができるか確認する
持ち家でとれる対策は以下の2つです。 【2つの対策】
- 自分で修理する
- 専門業者に依頼する
吐水口、ハンドル付近、蛇口スパウトの根元、蛇口の付け根から水が漏れている場合は、自分で劣化したパーツを取り換えて修理できる可能性があります。ただし、症状を悪化させてしまう恐れがあるため、作業に慣れていない方や不安を感じる方にはおすすめできません。無理をせず専門業者に相談しましょう。経年で蛇口が劣化している場合も同様です。10年以上使用しているものは、劣化により修理中に破損する恐れがあります。また、センサー式蛇口は、専門的な知識を要するため自分で修理をしないようにしましょう。
蛇口の水漏れ修理を自分で行う際の注意点
パーツが劣化しているなど、軽微な不具合であれば自分で修理できることがあります。ただし、注意点がないわけではありません。自分で修理したい方は、次の点に注意が必要です。
水漏れがひどくなる場合がある
見様見真似で作業を行うと、修理に失敗するケースがあります。作業内容によっては、修理前より水漏れがひどくなるため注意が必要です。たとえば、ポタポタ程度だった水の量が流れでるほどになるなどが考えられます。あるいは、数時間後、数日後に、直したはずの蛇口から再び水が漏れることもあります。修理のたびに状況がひどくなるケースは少なくありません。
これらの問題点は、トラブルが拡大して修理費用が高くなることです。修理中に傷んでいなかったパーツを傷めてしまったり、ひどくなった水漏れで周辺を劣化させてしまったりすることが原因です。知識や経験がなく修理に不安を感じる方は、専門業者へ相談するほうがよいでしょう。
重要な部品を紛失する恐れがある
蛇口を分解して修理する過程で、重要な部品を紛失するケースもあります。小さな部品を使用しているため、分解したり組み立てたりするときは十分な注意が必要です。注意力が散漫になると、手を滑らせて排水口内に部品を落としてしまうことなどが考えられます。 部品を紛失すると、基本的に蛇口を組み立てられません。新しいものを用意するまで、分解したままになってしまいます。中には取り寄せが必要な部品もあります。しばらくは、蛇口を使用できないでしょう。
また、新しい部品を買い直す追加の費用もかかります。よく似た部品が多いため、専門知識がないと誤ったものを購入してしまうこともあります。余計な費用がかかる点にも注意が必要です。
蛇口の水漏れ修理を専門業者に依頼するメリット
自分で修理をすると、以上のトラブルなどが起こります。心配な方は、専門業者へ依頼しましょう。ここからは、専門業者に依頼するメリットを紹介します。
知識とノウハウがあるためスムーズに修理できる
最も大きなメリットは、原因を見極めて適切な修理を行ってくれることです。専門業者は、水回りに関する豊富な知識と経験を有しています。したがって、トラブルを避けつつ、確実に水漏れを直せます。
修理で症状が悪化する、直したところからすぐに水が漏れるなどのトラブルは基本的に起こりません。修理に必要な作業を全て任せられる点も魅力です。原因の特定から部品の調達、実際の作業まで、すべて専門業者が行ってくれます。面倒な手間をかけず、水漏れをスムーズに直せます。
水漏れした際のアドバイスをもらえる
水漏れは、突然、起こるケースが少なくありません。パニックになって、何をどうすればよいかわからなくなることがあります。専門業者に相談すればこのようなケースでも落ち着きを取り戻せる可能性があります。プロの視点から、現時点でとるべき対策を教えてくれるためです(具体的な対応は専門業者で異なります)。
たとえば、応急処置として水の止め方を教えてくれるなどが考えられます。修理以外のサポートを受けられる点も専門業者の魅力です。
蛇口の水漏れを予防する方法
続いて、蛇口からの水漏れを防ぐため、意識したいポイントを解説します。
定期的なメンテナンスを行う
こまめなメンテナンス(お手入れ)を心がけると、蛇口の異常に気づきやすくなります。たとえば、拭いたはずの蛇口がすぐに濡れるなどを発見できるかもしれません。異常の早期発見はトラブルの防止につながります。症状がひどくなる前に、必要な対策を講じれるためです。普段から蛇口に付着している水滴を拭き取るなど、メンテナンス(お手入れ)をしておくことが大切です。
レバーやハンドルを強く締めない
蛇口のレバーやハンドルを強く締めたり、勢いよく締めたりすると、水漏れを防いでいるパッキンが摩耗しやすくなります。レバーやハンドルを優しく扱うことも、水漏れを予防する方法です。締める強さの目安は、吐水口から水滴が垂れない程度を意識するとよいでしょう。つまり、水滴が垂れなければ、それ以上、締める必要はありません。ある程度の「遊び」を残すと締めすぎを防げます。
水道料金を確認する
水漏れは、目視できない箇所でも起こります。たとえば、給水管に亀裂がはいって水が漏れていることもあります。見えない箇所の水漏れは、前年度分と今年度分の水道料金を比較すると推測できます。ライフスタイルが変わっていないにもかかわらず、水道料金が高くなっている場合は見えない箇所で水漏れが起きている可能性があります。専門業者へ相談して、原因を確かめるとよいかもしれません。
錆び付かないよう適度に利用する
蛇口を定期的に使用して、給水管や水道管などが錆び付かないようにしておくことも大切です。水漏れに関係するケースは少ないですが、錆が発生すると水の色が変わったり異物がでてきたりすることがあります。症状や原因によっては、給水管などの交換が必要です。トラブルを避けるため、蛇口の使用頻度にも気をつける必要があります。
蛇口からの水漏れは専門業者に相談
ここでは、蛇口から水が漏れる原因とその対処法などを解説しました。主な原因として、パーツの劣化が考えられます。軽微なトラブルであれば自分で修理できますが、知識や経験が不足していると症状を悪化させてしまう恐れがあります。
余計な費用がかかることも考えられるため、心配ない方は無理をせず専門業者に相談しましょう。専門業者であれば、原因を見極めて適切に修理できます。水漏れを確実かつ迅速に直したい方におすすめです。