- 投稿日: 2023/08/18
- 更新日: 2024/02/09
トイレのボールタップとは?役割や仕組み・水漏れ時の対策について解説
ボールタップはタンク内を構成する部品の一つで、給水や排水の正常な動作に関わっています。
タンク式のトイレに使われており、一体型トイレやタンクレストイレにボールタップは備わっていません。
トイレで水漏れが発生している場合は、ボールタップや周辺部品が原因となっている可能性が考えられます。
この記事では、ボールタップがトイレタンクでどのような役割、仕組みとなっているか、チェック方法から交換手順、各パーツの交換方法について解説していきます。
トイレのボールタップの役割と仕組み
ボールタップは、給水装置として備わっている部品です。
「フロート弁」「定水位弁」などと呼ぶこともあります。
給水装置といわれても、どのような役割、仕組みなのか分からない人が多いでしょう。
タンク内でどのように作動しているか理解することで、水漏れやトラブルの原因が追求できます。
トイレの水を給水、止水する部品
ボールタップはトイレタンク内で、水道水を給水、止水する役割を果たします。
トイレの水が流れる仕組みを理解すると、ボールタップがどのように働いているかイメージしやすいです。
- トイレのレバーを引く
- 水が流れる
- ゴムフロートが外れタンク内の水が便器に排水される
- 浮き玉の位置が低下する
- ボールタップが浮き玉の位置を検知
- 手洗い管から水が給水される
- トイレタンク内に水が溜まる
ボールタップが正常に機能している場合、トイレを使用するとタンク内の水が流れ、その後自動的に水が補充されます。
ボールタップが機能しないと、以下のような現象が生じます。
- ・水漏れが発生する
- ・洗い管の水が止まらない
- ・タンクの水があふれる
- ・水が流れない
上記に該当する場合、ボールタップの状態をチェックし、必要であれば新しいものに交換しなければいけません。
ボールタップのチェック
ボールタップの劣化や故障を確認したときは、速やかに交換する必要があります。
交換する前に、ボールタップをチェックする必要があります。
自力での交換をお考えの方は、以下の準備を行いましょう。
トイレタンクへの給水を止める
ボールタップをチェックするには、まずトイレタンクへの給水を止める必要があります。
給水はトイレ内の止水栓を閉じることで止めることが可能です。
止水栓の位置は家庭によってさまざまですが、給水管との接続部分に設置されていることが多いです。
また、止水栓は素手で閉じられるタイプや三角ハンドル、マイナスドライバーで回して閉じるタイプがあります。
注意点としては、完全に閉じるまでに回した回数を覚えておきましょう。 そうすれば、再び給水するときに元の位置まで戻すことが可能です。
道具の準備をする
ボールタップを交換するには、作業に必要な道具を揃えます。
- ・交換用のボールタップ
- ・プラスドライバー
- ・マイナスドライバー
- ・モンキーレンチ
ボールタップはメーカーの公式サイトやネット通販、ホームセンターなどで購入することが可能です。
トイレの型番などを確認し、適切なものを選びましょう。
ドライバーは止水栓の開け閉めで使用します。
マイナスドライバーがあれば止水栓の開け閉めは可能ですが、部品交換するときのためにプラスドライバーも用意しておきましょう。
モンキーレンチはボルトやナットを回す際に必要となります。
トイレタンク水漏れのチェックポイント
トイレタンクから水漏れが発生している場合は、以下4点を確認するようにしてください。
- ・ゴムフロートが正常な位置に設置されているか
- ・水位調整リングの位置が正常か
- ・オーバーフロー管は劣化してないか
- ・トイレタンク内に原因がみつからない場合
水漏れの原因は、タンク内の部品が正常に機能していないことが考えられます。
具体的な水漏れの現象について紹介していきます。
ゴムフロートバルブが外れていないか
ゴムフロートは、トイレタンクの底を閉じるゴム製の部品です。
「ゴムフロート」「フロートバルブ」と呼ぶこともあり、タンク内部をチェックする際は、まずゴムフロートが正しい位置にあるかを確認します。
ゴムフロートが外れていると、水位が適正位置に調節されず、タンクから水が漏れる可能性があります。
また、劣化などで変形している場合や、ゴムフロートとレバーを繋ぐチェーンが絡まっていたりすると、隙間から水が漏れる原因となります。
そのため、ゴムフロートが外れていないか確認するときは、劣化による変形などもチェックするようにしましょう。
水位調整リングの位置が正常か
トイレタンク内には、水位を調整するための水位調整リングが設置されています。
水位調整リングが適性位置よりも高いと、水位が適正より高くなり、水がオーバーフロー管へあふれてしまいます。
オーバーフロー管とはタンク内にある管のことで、オーバーフロー管に水があふれるとトイレタンクに水が貯まらず、便器に流れてしまいます。
その結果、給水が止まらない現象が起きます。
調整方法としては、浮き玉を持ち上げて水が止まるか確認してみてください。水が止まる場合は水位調整リングに原因がある可能性が高いです。
また、水位調整リングを回すことで水位の調整ができるため、浮き玉を持ち上げても直らない場合は試してみてください。
オーバーフロー管は劣化してないか
オーバーフロー管の劣化も、水漏れの原因となります。
管が劣化すると破損する可能性があるため、部品を交換しなければいけません。
また、オーバーフロー管は自力で交換することも可能ですが、細かい作業や重労働もあるため、業者に依頼することをおすすめします。
トイレタンク内に原因がみつからない場合
ゴムフロート、水位調整リング、オーバーフロー管を確認し、原因が見つからない場合は、プロの業者に依頼することを検討してみてください。
修理作業に慣れていないと、余計なトラブルを招く可能性があるためです。
また、自力で修理するよりも、業者に依頼する方が早く作業が終わるでしょう。
ボールタップの交換手順
業者に頼らずボールタップを交換するときは、以下の手順で進めていきます。
- トイレタンクの水を便器へ排出
- 元々のボールタップを取り外す
- 交換用のボールタップを取り付ける
- 止水栓を開き、水を流して動作確認
詳しい内容について解説します。
手順①トイレタンクの水を便器へ流して空っぽに
まずは、トイレタンクの水を便器へ流し、タンクを空にします。
止水栓を閉めることで水を止めることができます。 前述にもあるように、止水栓はマイナスドライバーで閉じることが可能です。
そして、トイレタンクの水を便器に全て流します。 タンクが空っぽになるまで水を流しましょう。
手順②タンク内にある古いボールタップを取り外す
次に、タンク内部に元々あるボールタップを取り外します。
周辺にはバルブやチェーン、オーバーフロー管などさまざまな部品が密集しています。
これらの部品を外さないよう、注意しながら作業を進めましょう。
また、ボールタップ周辺のサビが作業を邪魔する場合は、サビ取りスプレーなどで除去してから作業を行いましょう。
手順③新しいボールタップを取りつける
元々のボールタップを取り外したら、新しいボールタップを取り付けます。
ボールタップを取り外したときと逆の作業で取り付けることが可能です。
取り付ける際は、正しい位置に固定され、適切に機能するよう確認しましょう。
また、周囲の部品に気をつけながら作業を進めていきましょう。
手順④止水栓を開き、水を流して動作確認
新品のボールタップを取り付けたら、止水栓を開き、水が正常に流れることを確認します。
手順①で止水栓を閉じる際、何周回したか覚えておくと、開くときに迷うことがありません。水位はタンク内の「WL-」という表記を目安にしましょう。
上記の方法でボールタップが正常に作動しない、不具合がある場合は、専門業者に相談しましょう。
ボールタップのパッキン交換の手順
ボールタップのパッキンが劣化すると、水漏れが起きる可能性があります。
パッキンを確認し、劣化が見られる場合はパッキンを交換しましょう。 パッキンの交換は、以下の手順を参考にしてください。
- 止水栓を閉じる
- 水を全て便器に排出する
- 給水管を外す
- ボールタップを外す
- パッキンを交換する
- ボールタップを元に戻す
- 止水栓を開く
ボールタップと給水管は直結しているため、給水管を取り外す必要があります。
パッキンはナットの内側、タンクとボールタップの接合部分にあるため、劣化を確認したら交換しましょう。 また、パッキンはボールタップを購入するとセットで付属していますが、単体での販売もあります。
ボールタップのバルブ交換の手順
ボールタップから水が止まらないといったトラブルは、バルブの劣化や故障している可能性があります。
バルブの交換をする際は、以下の手順を参考にしてください。
- 止水栓を閉じる
- トイレタンク内の水を全て便器に流す
- 給水管とボールタップを取り外す
- 浮き玉のねじを緩める
- バルブ・パッキンを交換する
- 給水管・ボールタップを元に戻す
- 止水栓を開く
トイレタンクのバルブは、ネット通販などで単体で購入できます。
ボールタップのダイヤフラム交換
ダイヤフラムとは、給水管の水圧をコントロールする役割があります。
しかし、ダイヤフラムはパッキンで構成されているため、劣化しやすい部分でもあります。
ダイヤフラムが劣化すると故障の原因となり、給水の不具合や水漏れ発生の恐れがあるため、交換する必要があります。
ダイヤフラムの交換は以下の手順で行いましょう。
- 止水栓を閉じる
- 水を全て排出する
- 浮き玉を取り外す
- ボールタップのナットを回して外す
- ダイヤフラムを外す
- ナットと浮き玉を元に戻す
- 止水栓を開く
新しいダイヤフラムは、ボールタップの形状を確認しながら装着していきます。
溝の大きさはさまざまなので、合う方向を探して差し込みましょう。
ボールタップの交換を業者に依頼する場合とは
水漏れや故障で、業者に依頼する場合は以下を基準に考えましょう。
- ・部品を交換しても給水・水漏れが止まらない
- ・どこから水漏れが起きているか分からない
- ・タンク内のパイプが破損している
- ・タンク内を見ても判断できない
- ・便器の交換が必要
- ・タンクの蓋が重くて持ち上がらない
- ・早く修復したい
ボールタップの交換を自力で行うのが不安な場合、または問題が解決しない場合は、専門の業者に依頼することをおすすめします。
依頼料や部品代は発生するものの、適切な手順で正確な修復作業に務めてくれます。
トイレタンクの水漏れ修理・部品交換を業者に依頼した場合の費用相場
トイレタンクの水漏れ修理や部品交換を業者に依頼する際、費用が気になる方も多いのではないでしょうか。
各部品の交換や修理に発生する、一般的な費用相場は以下を参考にしてください。
修理内容・部品交換 | 費用 |
ボールタップの取り替え | 8,000円〜10,000円 |
ゴムフロートの取り替え | 8,000円〜10,000円 |
オーバーフロー管の取り替え | 10,000円〜15,000円 |
パッキン交換 | 8,000円〜10,000円 |
水漏れ修理 | 4,000円〜 |
給水管工事 | 5,000円〜 |
トイレタンク交換 | 50,000円〜120,000円 |
各部品の交換は、部品代込みで料金設定している業者が多いです。
また、別途出張費用や現地調査費用が発生する場合もあるため、事前に確認しておくことでトラブルが避けられます。
便器の交換が必要な場合
便器の下から水漏れが発生している場合、便器自体の交換が必要になるかもしれません。
便器を交換する際は、便器の本体費用と作業料金が含まれ、交換費用は数万円〜100,000円程度が相場です。
ただし、高機能の便器である場合、相場以上に交換費用が発生することも考えられます。
早くて安い業者を探すには
業者の探し方としては、口コミや評価を参考にするのが一般的です。
費用だけでなく、作業スピードやアフターサービスも確認すると良いです。
また、複数の業者に見積もりを取ることで、適切な費用相場を把握することができます。
生活水道センターでは、24時間365日、北海道から沖縄まで最短15分で訪問し、適正価格でトイレ周りの修理依頼を承っています。
「自力での修理が難しい」「早く水漏れを直したい」といった場合は、ぜひご相談ください。
トイレの水漏れ修理は早期解決が重要
いかがでしたか?
この記事を読むことで、トイレタンクのボールタップがどのような役割を果たすか、また水漏れなどに関与しているか理解できたのではないでしょうか。
トイレタンク内部の故障や水漏れ、トラブルは、水漏れや給水の不具合が発生し、マンションやアパートであれば他の部屋に被害が拡大する恐れも考えられます。
自力で解決できる範囲であれば、交換手順を確認しながら早めに修理するようにしましょう。
自力で解決することが難しい場合や、不安を感じる場合は、業者に依頼することをおすすめします。
あらゆる水道トラブルの工事・修理なら生活水道センター
ぜひお問い合わせください。
監修者
濱本 孝一 Koichi Hamamoto
代表取締役
2001 株式会社生活水道センター代表取締役就任
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- 管工事施工管理技士
給水装置主任技術者
排水設備工事責任技術者
ガス消費機器設置工事監督者
ガス機器設置スペシャリスト - 2級ガソリン自動車整備士
2級ディーゼル自動車整備士
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