- 投稿日: 2023/04/26
- 更新日: 2024/06/18
トイレの水が流れないときの確認ポイント・原因・対処法を解説
日本国内で主流となっている水洗トイレは、種類や特徴に応じて正しく使用・メンテナンスを行う必要があります。何らかの原因でトイレの水が流れなくなったときは、原因を特定したうえで適切に対処しなければなりません。
この記事では、トイレの水が流れないときに確認したいポイント、水が流れない原因と確認箇所を中心に紹介します。原因に応じた対処方法も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
トイレの水が流れない状態を放置するリスク
トイレの水が流れないときは、迅速な対応が必要です。放置するとさまざまなトラブルが起こりえます。特に注意したいトラブルとして、以下の3つがあげられます。
トイレの故障
「水が流れない」の具体的な症状はケースで異なります。以前に比べると水の流れが少し悪い、しばらく放っておくと流れるなども「水が流れない」と表現されることがあります。このようなケースでは、修理をせずにそのまま使用を継続する方が少なくありません。しかし、使用を継続すると、排水経路にとどまっている異物が奥へ流されて詰まってしまうことがあります。状況を悪化させるため注意が必要です。たとえば、便器を外さないと異物を取り除けなくなる、排水管が破損してしまうなどが考えられます。「まだ使えるから」といって、現状を放置しないようにしましょう。
汚水の逆流
トイレの使用を継続すると、汚水の逆流を招く恐れもあります。原因は、何かしらのきっかけで排水管が完全につまることです。たとえば、排水経路に引っかかっていた異物にトイレットペーパーや汚物が絡みつくなどが考えられます。排水管が完全につまると、行き場を失った汚水が便器から溢れます。汚物を含むため、非常に不衛生です。雑巾で拭き取るなどの対処が必要になります。適切に対処しないと、床にしみこんで階下へ漏れだす恐れがあります。集合住宅にお住まいの方は、階下へ損害を与えると補償を求められることがあるため、十分な注意が必要です。
悪臭の発生
水が流れない状態を放置すると、悪臭に悩まされることもあります。主な原因は、臭いや害虫の侵入を防いでいる封水(便器内に常に溜まっている水)が減ることです。封水は、便器の奥に吸水性のある異物がつまっていると減少することがあります。異物が水を吸い出してしまうためです。あるいは、排水管に汚れが溜まってつまりが発生しているときも減少することがあります。水圧の変化にともない封水が多く流れてしまうためです。いずれにせよ、悪臭が発生すると不快な環境になってしまいます。迅速かつ適切な対応が必要です。
トイレの水が流れなくなる前兆
トイレの水が流れなくなる前に、何かしらの症状が現れることが一般的です。具体的な症状は原因で異なります。主な原因は以下の2つです。
【主な原因】
- ・つまりが発生する
- ・水圧が弱くなる、水量が減る
前者の場合は、水を流したときにコポコポ、ゴボゴボなどの音がします。つまりが発生している箇所に溜まった空気が、水を流したときに押し出されるためです。 後者の場合は、水を流した後にチョロチョロなどの音がします。主な原因はタンク内の不具合です。水が漏れ出ているなどのトラブルが考えられます。
トイレの水が流れないときにまず確認すべき点
トイレの水が流れないときは次のポイントをチェックします。
【チェックポイント】
- ・通電状態
- ・水の供給
- ・止水栓の状態
- ・タンク、便器の水
各ポイントについて解説します。
電気が通っているか
電気が通っているかどうかは、トイレの不具合でまず確認したいポイントです。トイレは騒音の少ない密室に近い空間のため、停電中も気づきにくく、トイレ本体の不具合かと思ったら停電だったという場合があります。
トイレに限らず自宅の通電状況をまずチェックしましょう。トイレを含む場所のブレーカーが落ちていないかを見て、問題がなければトイレ内に移ります。
トイレ本体から出ているコンセントが正しく挿入されているか、トイレ本体から出ているケーブルの断線が起きていないか、トイレ本体に通電しているかを確認しましょう。
漏電遮断器の作動など、何らかの原因やトラブルで正しく通電ができていなければ電気系統のトラブルと考えられますので、必要に応じて業者への依頼を行ってください。
水が出ているか
電気系統に問題がなければ、断水していないかを確認します。停電と同じく、断水も自然災害として起こる可能性があるため、キッチンや浴室の水が出るかをあわせて確認してください。
アパート・マンションについては給水タンクから水が供給されています。断水は地域一帯にかかる自然災害のほかにも、特定の集合住宅の給水系統に問題が起きるケースも考えられます。
トイレだけの水が出ないときは、水道の元栓の開閉を確認します。閉じていれば開けて、水が流れるかをみましょう。寒い時期には水道の配管が凍結、または凍結による破損を起こすこともあります。
すでに破損している配管は交換が必要です。凍りついているだけであれば、お湯につけて絞ったタオルを上から覆って氷を溶かし、様子を見てください。
止水栓が開いているか
水が流れないときは止水栓も確認しておきましょう。何かしらの理由で止水栓が閉まっていると、タンクに対する水の供給がストップするため、レバーを回しても水は流れなくなります。トイレ修理などの際に止水栓を閉めて、そのままになっているケースがあります。水が流れないときは、念のため確認しておきましょう。
タンクや便器に水が溜まっているか
タンク内の水量も確認しておきたいポイントです(取り外しに不安を感じる場合は、無理をせず専門業者にご相談ください)。タンク内に水が溜まっていないと、レバーを回しても水は流れません。ボールタップやフロートバブルなどの故障が想定されます。 便器内の水量にも注意が必要です。便器や排水管内のつまりが原因で、水位が高くなったり低くなったりすることがあります。現在の状況を正確に把握するため、便器内の水位も確かめておきましょう。
トイレの水が流れない原因と確認ポイント
トイレの水が流れないときは、水圧の強さを確認したうえでトイレ本体のつまりとトイレ本体の故障状況をチェックしましょう。
ここからは、トイレの水が流れない原因と確認すべきポイントを解説していきます。
水圧の弱さ
トイレの水が流れないときは、水圧の弱さをチェックします。次に、水圧が弱くなっている原因として、「止水栓」「水の量」がどのような状態になっているかを確認してください。
止水栓を確認
止水栓はトイレタンクの外、給水管に直接取り付けられています。止水栓が閉まっていると給水管から流れてきた水がそこで留まり、トイレタンク内に流れ込まなくなります。長期の外出や工事、その他修理や掃除で止水栓を閉めたことがある場合は、水圧の弱さを確認してから止水栓もチェックしましょう。
たとえば、トイレの水が流れてこないようなケースでは、止水栓を含めてどこかが閉まっている可能性があります。止水栓の位置はトイレごとに異なり、タンクの外側のどこか(床の場合もあります)に取り付けられているため、わからなければ管理会社などに確認しておきましょう。
止水栓が開いていても、劣化によってしっかりと開いていない場合があります。劣化による不具合は自力での修理は難しく、無理に対処しようとすると部品の破損につながるおそれもあるため、業者に相談し部品の交換や修理を相談してください。
水の量を確認
多くのトイレが採用している洋式トイレでは、水を流したときにトイレタンク内の水が便器内に流れ込み、あらかじめ便器内に溜まっている水たまりの水とともに、排水路へ流れ込んでいきます。
水圧が弱いと感じたときは、トイレタンク内を覗いて水が十分溜まっているかどうかを確認しましょう。タンク内の「WL」と書かれた位置、またはオーバーフロー管の先から2,3cm下部が水量の目安です。
目安の部分まで水が溜まっていなければ、何らかの原因でトイレタンク内に水が溜まりにくくなっている(トイレも流しにくい状態)と判断できるため、タンク内の設備も含めて細かくチェックを行いましょう。
トイレ本体のつまり
トイレの水が流れず、水圧が弱くなっていない場合はトイレ本体につまりが生じている可能性もあります。つまっている原因として、「トイレットペーパー」「尿石」「異物」がそれぞれ考えられるため、確認していきましょう。
トイレットペーパーの流し過ぎを確認
トイレットペーパーをたくさん使う方は、一度にたくさん流していないかを確認してください。心当たりがあれば、トイレットペーパーのつまりが原因になっている可能性があります。
シングルよりもダブルのほうが厚みをもっているため、重ねて使用したり大量に使用したりすると、便器内の水たまりだけではペーパーが柔らかくならず、水にも溶けないまま流れていってしまいます。
水は勢いをもって押し流そうとしますから、ペーパーが押し出されていくうちに排水管を通り抜けられないものがどんどん栓をしてつまりが生じてしまうのです。
トイレットペーパーは水に溶けやすい性質のため、つまっていても時間とともに解消されることがあります。しかし一般家庭のトイレですから、長時間そのままにしておくことは難しいかもしれません。
トイレットペーパーをつまらせてしまったときは、ラバーカップを使用して様子を見ます。それでも解消されなければ、食器用洗剤を100ml便器内に流し込み、その後50度から60度のお湯を注ぎ入れて30分放置します。これでペーパーが溶けていき、流れやすくなります。
尿石や臭いを確認
古いタイプのトイレや年月の経った便器を使用していると、便器から排水管にかけて「尿石」が溜まってしまうことがあります。
尿石とは尿の中に混じっているカルシウムイオンが濃縮されたもの、または炭酸成分と反応して「カルシウム化合物」となり、便器や排水管の中に付着したものを指します。名前のとおり石のように硬く、トイレの中から目視できない排水管の奥に付着するため、素手で取り除くことはできません。
プロの業者が排水管自体を高圧洗浄するなどして対処しなければならないため、トイレットペーパーや異物によるつまりではない場合は尿石の可能性を含め、すぐに専門業者に相談を行ってください。
異物の有無を確認
トイレットペーパーではなく、尿石の可能性も薄い場合は便器内や排水管の中に異物が入り込んだかを確認しましょう。目視で確認できないものについては、ラバーカップを使って取り出せるかどうか試してみます。
重量のある物だけではなく、ビニールのように水に溶けない素材を流した場合も異物として考えられます。原因がわからなければ、すぐに専門の業者に相談を行いましょう。
トイレ本体の故障
水圧が弱くなっておらず、つまりも発生していなければ、トイレ本体の故障が考えられます。
故障したトイレはできるかぎり早くに修理を受けるようにして、それ以上使用することは避けてください。3つの確認ポイントとして、「レバー」「フロートバルブ」「浮き球」を確認しましょう。
レバーを確認
うまく水が流れないときは、レバーの状態も確認しましょう。多くみられるトラブルに、「空回り」が挙げられます。空回りとは、レバーがうまく動作していない状態や、流そうとしているのに流れない状態です。
レバーが空回る原因には、レバーとトイレタンク内のフロートバルブを繋いでいる鎖が外れているか、フロートバルブやレバー本体のトラブルが考えられます。いずれも老朽化の可能性があるため、交換が必要になります。
フロートバルブを確認
レバー自体は古くなっていないけれど空回ってしまう場合は、トイレタンク内を開けてフロートバルブを確認します。フロートバルブとは、タンク内に溜まっている水を便器内に流す際に持ち上がる栓のことで、レバーと連動して動作します。
フロートバルブが正常に持ち上がらなければ、排水弁が開かず水が流れていかなくなります。タンクを開けた状態でレバーを軽くひねり、フロートバルブが正常に作動しているかをチェックしましょう。
浮き球(ボールタップ)を確認
浮き球(ボールタップ)は、トイレタンクの水に浮いているボール状の部品です。タンク内の水量にしたがって上下し、浮いてくるとタンク内への給水が停止して、下がってくると再び給水が行われます。
浮き球が正常に機能していないと、給排水が正しく行われません。タンク内のオーバーフロー管に書かれている「WL」という表示に水位が来ているかをチェックし、浮き球がどこかに引っかかっていないか、浮き球自身に亀裂や破けが起きていないかを目視で確認します。
万が一浮き球の中に水が溜まっていたり、どこかに引っかかっている場合は対処が必要です。破損した場合は新しいものに交換が必要になりますが、引っかかっているだけであれば元の位置に戻すことで対応できる場合があります。
トイレの水圧が弱く流れないときの対処法
トイレの水圧が弱いまま、流れなくなっているときは水を入れて様子を見ます。詳しい方法を紹介していきますので、ぜひチェックしてください。
勢いよく水を入れる
水圧が弱い状態でできる対処法としては、以下の2点を順番に行いましょう。
【水圧が弱いときの対処法】
- ・つまりが発生していないことを確認
- ・水を容器に入れ、勢い良く流し込む
つまりが発生している場合は、水圧とは関係なくつまりを先に取り除く必要があります。しかし、特に何もつまっておらず水圧のみが弱い状態の場合は、容器に水を入れてしっかりと勢いをつけて流し入れてください。
入れる水量の目安
便器から水があふれるほどたくさん注ぎ入れないように注意しましょう。流し入れるときは一気に全量を注がず、便器の中の水たまりに変化があるかどうかを見ます。
水を流し入れたとき、水たまりの水が少しずつ流れていくようであれば、残りの水も容器から注ぎ入れてください。
万が一、水たまりの水の水位に変化がなければ、中でつまりが発生していると判断できます。それ以上容器から水を流し入れるのは避け、つまりを取り除く処置を行うか、難しければ業者に連絡を行いましょう。
つまりは一切ないけれど水位が非常に下がっており、まったく水が溜まっていない場合は1回で8リットル程度の水を容器から流し入れてみてください。
トイレ本体のつまりで流れないときの対処法
トイレ本体に物がつまってしまい、流れなくなったときは「トイレに流せる物がつまったのか」「トイレに流せない物がつまったのか」で判断します。それぞれの対処法を詳しくみていきましょう。
トイレに流せる物の場合
トイレに流せるものは、トイレットペーパーと便のみです。しかし、どちらも大量であると一度に排水管を通りきれず、どこかでつまってしまう場合があります。ただし水に溶ける性質であれば、時間とともに解消される可能性はあるでしょう。
トイレットペーパーや便がつまる場合は、水量不足で流れていかなかったケースがあります。節水のためにトイレタンク内にペットボトルを入れていたり、大便を流す時も「小」で流していたりすると、水の勢いが足りずにつまってしまいます。
この様に、普通と違う使い方をした時にトイレのつまりが起きてしまいます。
注意していてもつまりが起こってしまう場合もあるので、トイレがつまった時は早めに工事業者に依頼し、原因がわかっていればあらかじめそれを伝えるようにしましょう。
一度に流してしまい、水量が十分ではなくつまってしまったときは、ラバーカップを使って圧力をかけ、解消されるか試してみましょう。和式用、洋式用などトイレの種類に合うラバーカップを使用してください。
ラバーカップによってつまりを取り除くと、一気に汚水が逆流する可能性があります。汚水が他の場所に溢れないように浴室の排水溝を塞ぎ、トイレの床や壁を新聞紙、ビニールで覆います。
顔にもマスクなどをして汚水の跳ね返り対策を行い、ラバーカップによって便器の中の水位が下がったら、手桶などに入れた水を少しずつ流し入れて、きちんと流れていくか確認してからレバーを回してください。
トイレに流せない物の場合
トイレに流せない物とは、「水に溶けないもの」を指します。アクセサリーやスマートフォンの部品、ワイヤレスイヤホン、生理用品やトイレ内に置いてある小物など、つまりが起きている部分にはさまざまな物が挟まっている可能性があります。
水に溶けない物が栓になっている場合、つまりが解消するまで待っていても進展はありません。流せない物を流した心当たりがある場合は、まずラバーカップを使って中身を取り出してみましょう。
生理用品のように、サイズが比較的小さくても水を含むと膨張しやすい性質の物は、便器内に落ちることで吸水・膨張し、つまりが悪化する可能性があります。ラバーカップで解消できなければすぐに専門の業者に相談してください。
トイレ本体が故障して流れないときの対処法
トイレ本体が故障してしまい、それ以上流れなくなったときは無理な対応は避けましょう。トイレ本体の破損やさらなる故障につながる可能性もあるため、すぐに修理会社に連絡を行いましょう。
本体以外を自分で修理する方法としては、大きく分けて「トイレレバーの交換」「フロートバルブの交換」「浮き球の交換」があります。それぞれの方法をみていきましょう。
トイレレバーを交換する
レバーは経年劣化による不具合で「空回り」を起こす場合があります。
本来、レバーを回すとタンク内の水が便器の中に流れ出るようになっていますが、レバーが空回りしているとタンク内で繋がれている鎖が引っ張られず、フロートバルブの持ち上がりも起こりません。空回りするレバーを使っていると、十分に水を流せない状態のまま、つまりも起きやすくなります。
トイレレバーの替えを用意する場合、部品の取り寄せに時間がかかる可能性もあります。トイレをすぐに使用したいときに新しいレバーが手に入らなければ、業者に依頼を行ったほうが良いでしょう。
事前に用意する物
古いレバーと同じ物、または替えがきくレバーを用意します。部品の替えについてはメーカーに問い合わせを行うか、トイレ用部品を取り扱っているホームセンターなどに相談のうえ購入してください。
タンク内のナットや鎖を取り外すため、使い捨てのゴム手袋を用意します。つまりを取り除く際、便器内に水を流し入れるためのバケツなども用意します。
止水栓を閉めるためのドライバー、レバーを取り外すためのレンチなどを事前に用意しましょう。水が飛び散るのを防ぐために、壁や床は新聞紙や雑巾を敷いておくと安心です。
手順
ゴム手袋やマスクを付けてから、トイレ内の止水栓をドライバーで閉め、水がタンク内に流れ込まないようにします。次に、トイレタンクのフタを開けてフロートバルブとレバーを繋いでいる鎖を外します。鎖は後から繋ぎ直すため、雑巾の上などに置いておきます。
レバーの取り付けられている位置を確認し、内側からレバーを取り付けているナットを外します。次に、外側のレバーを引き抜いてタンクから取り外してください。
取り外しと反対の手順で、新しいレバーを取り付けていきます。まずは新しいレバーをタンクに差し込み、ナットを取り付けて鎖を繋ぎ、フロートバルブとも繋ぎ直してください。すべてが取り外し前と同じ状態になっていることを確認し、タンクのフタを閉めて作業は終了です。
フロートバルブを交換する
フロートバルブは、排水弁を開ける際に持ち上がる栓のことです。通常、水が溜められたトイレタンクの底で封をしていますが、レバーを回すことでフロートバルブ本体が持ち上がり、排水弁が開いてタンク内の水が便器の中に注がれます。
このフロートバルブが経年劣化を起こすと、亀裂から水が漏れ出して便器内にチョロチョロと水が流れたり、用を足した後に流そうとしても水量が足りず流しきれなかったりと、さまざまなトラブルを起こします。
フロートバルブの交換は、経年劣化を起こしているかどうか確認するところから始めなければなりません。まずは止水栓を閉めた状態で、タンク内の水を便器内に流しきった状態で、フロートバルブの劣化を確認してください。
事前に用意する物
古いフロートバルブと同じ物、または替えがきくフロートバルブを用意します。部品の替えについてはメーカーに問い合わせを行うか、トイレ用部品を取り扱っているホームセンターなどに相談のうえ購入してください。
フロートバルブの交換には、マイナスドライバーなどの工具が必要になります。こちらもフロートバルブの種類によって必要な工具が異なるため、あらかじめ古いフロートバルブを調べてから用意を行ってください。
止水栓を閉めるためのドライバー、フロートバルブを取り外すための工具を事前に用意しましょう。水が飛び散るのを防ぐために、壁や床は新聞紙や雑巾を敷いておくと安心です。
手順
ゴム手袋やマスクを付けてから、トイレ内の止水栓をドライバーで閉め、水がタンク内に流れ込まないようにします。次に、タンク内の水をすべて抜いてから底にあるフロートバルブを取り外します。
フロートバルブのみを取り出すため、レバーとフロートバルブを繋いでいる鎖も外してください。取れた鎖は新しいフロートバルブと繋ぎ直すため、長さを変更せずにタンクなどにかけておきましょう。
新しいフロートバルブを鎖に取り付けたら、すべて元の状態に戻します。フロートバルブは栓をした状態にして、止水栓を開けてから水をトイレタンクの中に流し入れて様子を見ます。
浮き球(ボールタップ)を交換する
浮き球(ボールタップ)は、タンク内の水位を測るための部品です。浮き球が低い位置にあると給水弁が開いて給水が行われ、上に上がると弁が閉じて給水を停止する仕組みになっています。
浮き球が不具合を起こしていると、止水弁が正常に動作せず便器の中に水が流れ出し続けてしまいます。こうなると、タンク内に一定量の水が溜められないため、レバーをひねっても勢い良く水が流れず、トイレがつまる可能性があります。
まずはトイレタンクを開けて、浮き球を持ち上げて水が止まるか確認を行ってください。
事前に用意する物
古い浮き球と同じ物、または替えがきく浮き球を用意します。部品の替えについてはメーカーに問い合わせを行うか、トイレ用部品を取り扱っているホームセンターなどに相談のうえ購入してください。
止水栓を閉めるためのドライバー、浮き球を取り外すための工具を事前に用意しましょう。水が飛び散るのを防ぐために、壁や床は新聞紙や雑巾を敷いておくと安心です。
手順
ゴム手袋やマスクを付けてから、トイレ内の止水栓をドライバーで閉め、水がタンク内に流れ込まないようにします。次に、タンク内の水をすべて抜いてから浮き球が取り付けられているボールタップ本体にレンチなどを使い、浮き球のみを取り外します。
新しい浮き球をレンチなどでボールタップに取り付け、交換前と同じ状態にします。止水栓を開けてから水をトイレタンクの中に流し入れて、そのまま様子を見てください。タンク内に水が溜まったら浮き球を持ち上げるなどして、動作状況を確認しましょう。
自分で水の流れないトイレを直すときの注意点
自分で対処や修理を行うときは、以下のポイントに注意してください。
【自分でトイレを直すときの注意点】
- ・できるかぎり早くに対処する
- ・何もせずにそのままにはしない
- ・目視を基本に細かな修理は避ける
トイレを自分で直そうとすると、トイレの本体からトイレまわり、排水管や部品に至るまで、細かくチェックをしなければなりません。もちろんほとんどの方が自宅に交換用の部品を揃えていないため、最終的にはプロの業者に依頼をすることになります。
対応は目視が基本で、専門の器具を使っていろいろと手を加えるとさらなる故障や問題の発生に繋がるおそれがあります。しかし、 少し対処したのちに「ちょっと様子を見よう」と放置をするのも危険です。
トイレが使えない、または不具合が起きている状態で用を足すのも避けましょう。便などが残った状態でトラブルも解決していなければ、さらなるトラブルが発生するおそれがあります。
異常は放置せず、少しでもおかしい(自力では対処しきれない)ときは専門の業者に点検を依頼してください。
トイレの水を流れにくくしないための予防策
トイレの水がスムーズに流れるようにするためには、流れない物を流さないように注意しながら、無理にトイレットペーパーを流さないように注意しましょう。
古いトイレほどこまめな点検やメンテナンスが重要です。部品が古くなると在庫が切れ、新しいものに交換ができなくなる可能性があるためです。それ以外の状態でも、数ヶ月に一度の頻度でトイレタンクをチェックし、部品の汚れや故障が発生していないかを確認してください。
トイレタンク内は重曹や中性洗剤が使用できます。掃除用のアイテムは硬いたわしを避け、細かいところまで入り込める使い捨てのブラシがあると良いでしょう。1,2ヶ月に一度のペースで汚れを落とし、タンク内に洗剤が残らないように注意しながら流します。
洗剤も含めて、汚れや洗い残しをそのままにしないことが、トイレを清潔かつトラブルなく保つポイントです。
トイレタンク内にはいろいろな部品が使用されていますが、劣化したものやトラブルを発見したときはそのままにせず、プロの業者に相談するようにしましょう。その際、汚れは残さずに取り除いておくと対処がしやすくなります。
水が流れないトイレを修理するときの費用相場
トイレの修理は、作業代金に部品代(交換が必要な場合)を含めた金額がかかります。 出張費などが発生するケースもあるため、水道業者のホームページなどを確認のうえ、不明点は直接問い合わせを行ってください。
トイレ修理にかかる費用の相場は、以下のような例が挙げられます。
サービス項目 | 費用相場 | 備考 |
便器内のつまり除去 | 5,000円〜20,000円 | 基本料金に作業料金を含む 専用器具を使用する場合料金が加算される 便器取り外し作業が加わると料金が加算される |
排水管内のつまり除去 | 15,000円〜50,000円 | 基本料金に作業料金を含む トーラー機使用の場合料金が加算される(時間ごとに費用が異なる) 高圧洗浄機使用の場合料金が加算される |
部品の交換修理 | 5,000円〜20,000円 | 材料費別、部品代別 |
つまりの除去は、基本料金に作業料金を含めた合計が請求されます。 業者によって基本の料金体系が異なるほか、トイレの形状や交換する部品の費用も加算されるため、最終的に請求される金額には幅があります。業者に相談のうえ見積もりをとって比較を行うと良いでしょう。
対処しきれない場合は専門の業者に相談
今回は、トイレの水が流れなくなってしまった際の対処方法や確認ポイントを紹介しました。古いトイレほど部品の交換が難しくなりますし、修理を繰り返しても故障する部分は全交換が必要になるなど、トイレによるコンディションの違いも踏まえて確認を行ってください。
自力での対応が難しければ、専門のプロに相談をする必要があります。修理に詳しくない方が無理に手を加えるとかえって状況が悪化するおそれもあるため、早めに専門の修理業者に連絡を行うことをおすすめします。
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監修者
濱本 孝一 Koichi Hamamoto
代表取締役
2001 株式会社生活水道センター代表取締役就任
- < 資格 >
- 管工事施工管理技士
給水装置主任技術者
排水設備工事責任技術者
ガス消費機器設置工事監督者
ガス機器設置スペシャリスト - 2級ガソリン自動車整備士
2級ディーゼル自動車整備士
美容師
管理美容師
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