熊谷市と言ったら暑い夏
それを象徴する大温度計が設置されたばかりの八木橋デパートから徒歩数分のところにあるマンションにお邪魔してきました。80代後半のご夫婦のお宅です。洗濯機が水漏れしてるということでした。まだ6月なのに朝から27℃の気温。今日もいったい何処まで上がるのだろうと大温度計を横目に通り過ぎ、到着したマンションの7階。丁寧な笑顔で迎えてくれた老夫婦はもちろんマスク姿です。当然私もマスクを着用していますが、部屋に迎え入れられる前にすでに汗でびっしょり。替えのマスクを用意していなかったので、息苦しさを覚えながら作業に取り掛かりました。
床がびしょびしょだったということで調べると排水ホースが外れかかっていました。この部屋に引っ越して13年間、一度も交換していないということでしたので、劣化もあるかもしれません。よく見ると確かに亀裂が入っていました。修理の承諾得るのに、マスク越しに尋ねると「えっ?な・何ですか?」と何度も聞き返されました。
お年を召していることと、汗をたっぷり含んだマスク越しに喋ることで、言葉が伝わりにくくなっていたようです。かと言って、マスクを外すのはマナー違反かなと思います。そこで、考えたのが筆談。メモ用紙に「排水ホースが劣化してますが、交換しますか?」と書いて渡すと、ご主人は素早くスマホにメモして、スマホのモニターを見せました。「ああ、やっぱりそうだったか。そうじゃないかと思って、さっき八木橋デパートで交換用のホースを買ってきたんです」
なかなか勘が鋭く、しかもスマホの操作に長けたご主人だなと感心した次第です。けれども洗濯機を持ち上げて交換するまでの体力はなかったとのこと。すみやかに交換作業を進めさせてもらいました。浴室の換気扇がフル回転しているとはいえ、空調の利いた室内とは違い、室温も湿度も高め。滴る汗がこぼれて水溜まりができそうでした。
「暑い中、ご苦労様でした」とスマホの画面といっしょに差し出されたカルピスが全身に染みわたりました。
できることとできないことを把握して、謙虚な生活を営んでいる老夫婦のやさしさに心打たれた一日でした。
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