東松山エリアで水道工事全般を請け負っています。
先日、1本の修理依頼の電話が入りました。状況をきくと、洗濯排水がなかなか減らないということです。以前はスピーディーに洗濯排水ができたのに、最近は排水に時間がかかるようになり、今朝はとうとう洗濯排水が室内にあふれてしまったというのです。
あまり聞いたことのない事例だったので、とりあえず現場のお宅へ向かいました。
洗濯機を移動させて排水口をチェックしたのですが、特に異常はありません。
こちらの建物は4メートル道路に面しており、道路下の共用の下水管に流れ込む通常のつ設備になっていました。
まず、住宅のまわりをチェックすると、3カ所に桝がありました。
風呂、トイレ、キッチンの排水はそれらの桝から下水溝に流れ込んでいます。
よく見ると、3つとも桝のふち周囲から水があふれた痕跡がありました。
このあとのどこかで問題が起きていてあふれたのです。
そこで枡を開けてみました。すると3とも水で一杯になっていました。
下水手前の管が詰まっているのですべての枡にも水が溜まっている状態でした。
だから部屋の中にあふれてしまったのでしょう。
あとはつまっている場所の特定して、そこを直さないと溜まった排水は流れません。
不思議なのは道路下の共同排水管につながる排水枡がなかったことです。一般的に道路に面した場所には大きな枡があるはずですが、この住宅にはありません。
塀のそばに大きな立ち木があったので、その根元の土を取り除いてみると大きな枡が隠れていました。長年の土砂で埋もれていたのです。そのコンクリートのフタを開けてみて、原因がわかりました。
何と、排水枡のそばに立っている木の根が伸びて排水管の出口を塞いでいたのです。原因は排水枡のそばに植えた立ち木だったのです。細かい根が排水口の出口に絡みついているので、排水は少しずつしか流れません。
洗濯排水の流れが悪くなったというのは、少しずつしか流れなかったからでした。それがある日完全に排水がストップしたために、室内に逆流したのです。
修理は簡単でした。長い枝切り鋏で立ち木の根っこを切るだけでした。根っこを切ると溜まっていた排水は一気に流れました。ただし、このまま放置しておくと根が伸びてまた同じ状況になります。依頼者には立ち木を切った方がよいとアドバイスして、修理は終わりました。
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