足袋の産地として知られる行田市
来月7月、多くの観光客で賑わう行田蓮まつりが開催されます。蓮の鑑賞はもちろん、蓮茶の試飲会や蓮もちつき大会などのメニューが多彩で、マチを代表するイベントのひとつです。もう蓮も見ごろだろうなと思いながら、まつりの会場となる古代蓮の里を横目に見つつ、修理のご依頼をいただいたお客様のお宅に向かいました。お電話のお話では、トイレが詰まり、水が流れなくたったということでした。伺っていた住所に到着すると、閑静な住宅街に建つ、まだ真新しい2階建ての一軒家でした。休日ということで、お電話をいただいた30代後半くらいと思われるお母様、同年代のご主人、そして3歳くらいの男の子が在宅。センスのいい家具が並ぶリビングに通され、状況を伺うと、夫婦揃って家庭菜園で作業をしている隙に、男の子がトイレに行って悪戯をしていたようです。トイレットペーパーを千切っては入れ、千切っては入れを繰り返し、それが水と一緒に流れていくのを見るのが面白かったそうです。夢中になっているうちに2ロールを使い切ったようで、急に水が流れなくなり、オロオロしているところをお母様が見つけたということでした。
点検をさせていただくと、通常よりも水位が上がり、トイレットペーパーと思われる紙が浮いていました。トイレを外し、排水管を覗いてみると、ギッシリと紙の塊が詰まっていました。トイレの詰まりは、何度も現場を経験してきましたが、量の多さでは間違いなくナンバーワンです。作業方法としては高圧洗浄ですが、どのくらい時間がかかるのか想像がつきませんでした。洗浄を始めると、次々に紙が流れ出てきて止まりません。根気強く作業を続けたところ、1時間20分程でようやく除去物がなくなったのを確認できました。完了したことをお伝えすると、そばで見ていたお客様、特に男の子はホッとしていました。実は一番ホッとしたのは、私だったかもしれません。それだけ手強い作業でした。
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