トイレの排水つまり解消に市原市に行ってきました
「日本のトイレは世界一」皆さんもこんなフレーズをお聞きしたとはりませんでしょうか。
これは決して過大評価などではなく、先進国の中でも開発技術がとても進んでおり、特に温水洗浄便座は最新技術の結晶とも言えるほど複雑な回路や仕組みによって制御されています。
そんな誇るべきトイレですが、時には気が付かないところで思わぬトラブルを引き起こすことがあります。
先日は千葉県市原市にお住いのお客様より、朝がた用を足した後に流そうとしたところ、便器内を紙がクルクル回るだけで全然引き込まれて行かなくなってしまったという内容でご依頼がありました。
少し不思議な症状が出ているようでしたが、場所が場所だけに放ってはおけません。直ぐに車を走らせお客様のもとへ向かいました。
お家は築年数40年以上というなかなか風格を感じる日本家屋で、到着するとすぐに旦那様が「まってました!」とお出迎えくださりました。
早速状態を確認してみると、お電話で伺っていた通り便器内には流しきれなかった紙類が滞留している状態。
しかし、水だけは普通に減っていく様子で溢れるようなことはありません。
ますます不思議に思い、これは詰まりではなく何か別の問題が発生しているのではと、少し視点を変えて調査を進めていくことに。
しばらくして原因がわかりました。こちらのおトイレは一昔前のサイフォン式洗浄を採用している製品で、その為の水圧補助穴が尿石によって塞がれてしまっていたのです。
この方式のものは人為的に作られた水の高低差から生じる引き込む力を利用して上手く排水するのですが、最終的に補助穴から噴き出す水流によってそれを行います。
従ってそこが塞がれてしまうと詰まりが発生している訳ではなくても、上手く水が流れていかなくなってしまう非情にデリケートな仕組みなんですね。
本来であれば使用年数も数十年と経過しているということですので、リフォームをお勧めさせていただくような案件ですが、最小限の費用で原状回復をしてほしいとご主人のご希望でしたので、見える範囲の結晶を小型のノミで慎重に削り取り、仕上げとして強アルカリ性の劇薬によって溶かす作業をしました。
この薬品はこういったアンモニアや酸性の汚れに対して非常に効果的で、しばらくそのままにしておくとブクブクと分解された尿石が強烈なにおいと共に上がってきます。
最後に洗浄レバーを引いて確認したところ、さっきまでが嘘のようにズバー――っと汚れや紙が吸い込まれていきました。
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