水道管は、目に見えない部分が大半を占めています。そこで何かトラブルが起こってしまっても、水道代の請求書を見なければ気がつかない場合が多いです。これは非常に危険な事で、知らない間に何十万円というお金を支払わなければならない状態になっている可能性があるということです。また、古い水道管には鉛が使われていることもあります。この鉛には人体に有害な影響を与える作用が含まれています。今回の記事では、それらの古い水道管を使い続けるリスクや、水道管が古い場合にどのような対応をすればよいのかということをお伝えしていきます。
水道管が水漏れを起こすと、様々なトラブルの原因となります。高額な費用を請求される場合もあれば、マンションの場合、階下の住人とのトラブルの原因ともなります。洗濯機の水漏れなどといった分かりやすいものではなく、目に見えない水道管という部分の水漏れが生じていると、その責任の所在が曖昧になってしまいます。まずは、水道管の水漏れを起こすことによる金額面のトラブルや、近隣住民とのトラブルについてご説明します。
水道管の水漏れが原因となって、高額な水道代を請求されるパターンの多くは、家の中の普段立ちいらないスペースで水漏れが発生していたというケースです。これは、マンションなどの集合住宅ではなく、持ち家の場合に多く発生します。
人の出入りが激しいスペースで水漏れが発生すれば、床が水浸しになっているのにすぐに気づくはずです。しかし、そうではない場所の水道管が破損していると、なかなか気づくことができません。 一気に大量の水が漏れて、部屋から水が溢れ出すという大惨事に発展してしまえば、逆に早く気づくことができますが、高額な費用を請求される場合の多くは、壁の内側の水道管が水漏れを起こし、壁からじわじわと水が染み出ていて気付かないなどといったケースです。日常生活の中で使わない部屋の壁に小さなシミがあったとしても、それに気づくことはほとんど不可能ですよね。そして、普段は1万円以下の水道代が、ある時突然何十万円という金額の請求になり、そこで水道管に何らかのトラブルがあることが発覚します。
このケースは、地下の排水管ではなく地上の排水管で起きた出来事であるため、非常に残念なことに「気づかなかった住人が悪い」ということになり、多くの場合、その何十万円という高額な水道代を支払わなければいけなくなります。さらに、水道管の工事の費用も必要になるため、このトラブルによって必要になる費用は、かなり大きな金額になるでしょう。
このような悲劇を予防するためには、日頃から水道メーターの動きに注意しておくか、ある程度古くなった水道管は、トラブルが起きていなくても交換したり補強したりするなどのメンテナンスをする必要があります。「まだ大丈夫」という気持ちが何十万円という水道代を生み出す可能性があるのです。
持ち家の漏水トラブルで多いのは、敷地内の地下の排水管が破裂して水が漏れてしまうケースや、老朽化によって破損し、水が漏れてしまうというケースです。庭に埋めている木の根が成長し、排水管を外してしまうというケースもあるようです。こちらも、ある月に届いた水道代の請求書が大金になっており、水漏れが起きているのではないかということが分かり、調べた結果、何らかの原因で地下の排水管から水が漏れているということが発覚するというケースです。
先ほどお伝えしたケースと違うのは、漏水が発生していた場所が地上ではなく地下だったということです。水が漏れてしまうという事実はどちらも変わりがありませんが、法律上これは大きな違いになります。実は、各自治体によって地下の漏水によって高額になってしまった水道費を減免する制度が存在するのです。 自治体によってその手続きの方法や提出する書類は違うようですが、まずは高額の料金を支払い、その後にお金が返ってくるというパターンと、最初から減免してもらえるというパターンがあります。また、減免の計算方式も自治体によって異なります。気になる方は、「水道事業給水条例」というキーワードに、ご自身がお住まいの土地をキーワードとして加えて検索してみてください。3分の1から10分の1程度の金額まで減免されることがあるようです。また、減免申請を行う際には、その自治体が指定する水道工事業者に依頼をしなければ書類自体を作成することができない場合があります。そのため、減免対応が可能か確認せず水道業者に慌てて連絡をして工事の段取りをしてしまうと、減免制度を使えなくなってしまう可能性があります。まずは水道メーターを閉めてから、各自治体の減免制度の詳細を調べ、その内容に準じた対応とっていくと良いでしょう。漏水のトラブルを経験した方の中には、こういった条例のことを知らずに、あきらめて素直にその金額を払っている人もいるようですが、非常にもったいないですよね。
持ち家の敷地内で水道管のトラブルが発生した場合、その家の家主が自分の責任で対応するのは当然の事でしょう。しかし、分譲マンションの場合、その感覚が少し変わってきます。なぜなら、マンションは排水管が部屋と部屋の間に通っており、普段見ることができないため、そこで何かが起こったとしても「自分の部屋で起きたこと」ではなく「マンション全体で起きたことの一つ」と捉える方が多いからです。
例えば、3階の部屋の床下にある排水管が老朽化し、水漏れが起きたとします。するとその水は2階の部屋の天井から漏れ出し、浸水をおこします。床が水浸しになったことで、2階の住人は3階の住人に苦情を言います。しかし、3階の住人は水漏れに対して心当たりがないため、戸惑います。そしてマンションの管理人に相談し、原因を調べたところ、2階の部屋と3階の部屋の間の部分を通っている水道管が老朽化しているということがわかりました。この水道管は、3階の部屋の床下を通っており、所有権は3階の部屋にあります。つまり、3階の住人が加害者、2階の住人が被害者という形になるのです。
法律上は、3階の住人が水道管のメンテナンスを怠ったために起きた事故だとされてしまいます。そのため、この漏水事故に関して必要となる費用は全て3階の住人が負担するという形になります。多くの人は、マンションに入居する際に「マンション保険」というものに入っているはずです。この保険により、床下に水漏れの原因が何であるかということを調査するためにかかった費用や、2階の住人に対して迷惑をかけてしまった損害などは補償されます。しかし、漏水を起こしてしまった水道管の修理費用は、3階の住人が負担しなければなりません。
この部分に納得できないという人が多いようです。むしろ、「自分も被害者の1人だ」と考える傾向にあります。本人の立場に立ってみれば、確かにそれは頷けます。床下の排水管のメンテナンスなどしている人はほとんどいないでしょう。もし自分の過失で洗濯機の水を出しっぱなしにして水漏れが起きてしまい、自分の部屋も水浸しになり、階下の住人の部屋にも水漏れが起きて迷惑をかけてしまった、という場合なら、「自分が加害者だ」という認識が生まれやすいのですが、今回ご紹介したような、床下の排水管の老朽化が原因の場合は、加害者意識が希薄になり、工事の料金を負担することに対して異議を唱える方も多いようです。しかし実際、築20年以上経過した古いマンションで、コンクリートの中に埋まった排水管をメンテナンスすることは、その部屋の所有者であっても困難なことで、そのようなパターンで起きた排水管の事故は、マンションの共有部と考えられ、費用は管理組合が負担するという裁判の例もあるようです。そのため、一概に誰がどのように責任を負うということは言えませんが、万が一のこのような面倒な事故を防ぐためにも、分譲マンションにお住まいの方は、ご自身の部屋の専有部分を流れている水道管が10年以上経過した古いものの場合、一度チェックやメンテナンスをしておいた方がいいかもしれません。
水道管から水漏れが起こるケースは、様々なものがあります。先ほどお伝えしたような、木の根っこが成長し水道管を外してしまうという特殊なパターンもあります。しかし統計的にいえば水漏れの原因となる事柄は大きく2種類に分けることができます。
給水管や排水管が水漏れを起こす場合、まず原因として考えられるのが、水道管の老朽化です。1950年代まで使用されていた鉛製の水道管である鉛管は、他の金属でできた排水管に比べて腐食が進みにくい性質をしていますが、それでも使用され続けた年月の長さを考えると、腐食が進行し破裂を起こしてもおかしくありません。
2015年度10月19日、大阪府港区の地下にある水道管が相次いで破裂し、水道管の中を流れていた水が大量に地上に噴出するという事故が起こりました。この3ヶ所は、それぞれ少しずつ離れた場所で、最初に水が噴出した場所から650メートルほど離れた場所で2ヶ所目が噴出し、その後、約3キロ離れた場所で3ヶ所目が噴出しました。水が噴出した原因は老朽化による水道管の腐食だったようです。つまり、その辺り一帯のエリアの地下の水道管が老朽化し、全体的に限界を迎えていたということがわかります。
このように、ある時期に一斉にそのあたりの水道管が作られたという場合、その内の1ヶ所の水道管が老朽化によりトラブルを起こしたら、その周辺の水道管もすべて老朽化が進んでいるということが伺えます。 つまり、漏水事故が起こった場合、その1箇所だけを修理すれば解決するというわけではなく、同じ時期に作られた配水管全てが老朽化による水漏れを起こす可能性を秘めた危険な地域ということになってしまうのです。
家やマンションの場合も同じです。マンションの一室で老朽化による水漏れ事故が起こった場合、それをきっかけに他の部屋でも老朽化による漏水事故が続けざまに発生することがあります。それは、同時期に作られた排水管であるため、同時期に限界を迎えたということなのです。そのため、水漏れの原因が老朽化である場合は修理を行う際に水道管全体の塩ビ管への切り替えを検討する必要があります。かなりの費用はかかりますが、長い目で見れば最も効率が良い方法になります。
水道管のつなぎ目部分から水漏れが発生するケースもあります。これは、水道管と水道管をつないでいるナットが緩んでしまっていたり、長期間の使用によって水の流れを止めるためのパッキンが劣化してしまったりすることによりじわじわと発生する水漏れです。近くを頻繁に車が通る場所の地下にある水道管や、人が頻繁に歩く場所の床下にある水道管などは、振動によって少しずつナットが緩んでしまうことがあります。さらに、ナットと水道管の間にあるゴム製のパッキンが、長期間の流水によって少しずつ劣化し、隙間が生じてしまうことによって水漏れが発生するのです。このケースの場合は、上記の腐食によって水道管が破損するというケースに比べると、じわじわとした。水漏れなので、ある月に突然水道代が跳ね上がるということは心配しなくても大丈夫です。しかしその分、じわじわと水道代が上がるため気づきにくく、早く気づいていれば継続的に水道代を安くすることができたのに、知らずに払い続けていたということにもなりかねません。そのため、こちらも日頃のメンテナンスによって察知しなければいけない水漏れです。
水漏れが起こる最も多い原因は老朽化です。そして次に多い原因はつなぎ目の緩みです。しかしそれ以外にもさまざまな原因があります。代表的なものは、水道管の内部の詰まりです。給水管よりは下水管で発生しやすい症状で、水道管の中に髪の毛や食べ物のカスなどが詰まり、それが水の流れをストップさせてしまい不必要な圧力がかかった結果、水道管の破損につながるのです。また、大規模な地震によって水道管が破損するというケースもあります。これは非常にレアなパターンですが、不明な水漏れの原因を探る時に選択肢に入れる必要はないでしょう。なぜなら、排水管が破損するほどの大きな地震が発生していないのであれば水道管の水漏れが地震によるものではあるはずがないですし、逆に大規模な地震が発生した直後に水漏れが起きたのであれば、それしか考えられる原因がないからです。
ここまでの様々なトラブルを見てくると、自分の住んでいる家やマンションの排水管が水漏れを起こしてないか気になりますよね。「最近水道代が高いと思っていけど、実は水漏れをしていたのではないか?」などと考える人もいるのではないでしょうか。
水道管は普段目に見えないところにあります。そのため、水漏れが発生していたとしても水道代が突然異常なほど上がったり、浸水したりしなければ気づくことができません。しかしそれはどちらも手遅れの状態ですよね。大切なのは、水漏れの兆候が現れた時に素早く察知して修理を行うということです。 そこでここでは、水道管が水漏れを起こしているかどうかをチェックする方法をお伝えします。まずは、下記に該当するような症状がないかどうかをチェックしてみてください。
これらの項目に当てはまるものが1つでもあれば、水道管が水漏れを起こしている可能性があります。 しかし、これは簡易的なチェック方法なので、これに当てはまらない場合もあります。また、これらに当てはまったにも関わらず、本当に水が漏れているのか確証がないという場合もあるでしょう。 そんな時は下記の方法を試してみてください。
上記のチェック項目だけでは、確実に水が漏れているという確証が持てない場合があります。また、上記の項目に該当していなかったとしても、水漏れが発生しているということもあります。 そのため、厳密に水漏れのチェックを行いたい場合は、下記の方法を試してみてください。 はじめに、家の中の全ての蛇口を閉めます。つまり、「水道代が増えるはずがない」という状態にするのです。この状態で水道メーターを確認に行きます。水道メーターには大きく分けるとアナログ式のものとアナログ・デジタル併用式のものの2種類があります。目盛りや数字がたくさんあるため、メーターが示している内容を読み取ることは難しいのですが、漏水チェックを行う場合は、見るべきポイントは「パイロット」と呼ばれる1箇所のみです。
アナログ式の水道メーターの場合は、中心より少し下の部分にある中心に赤い丸がついた金属のパーツがパイロットです。アナログ・デジタル併用式のものは、真ん中より少し左側にある中心に赤い丸がついた金属のパーツがパイロットです。家の中で水が流れると、このパイロットが回転します。そのため、全ての蛇口を閉めた状態にもかかわらず、このパイロットが回転しているということは、水が漏れているということです。少し面倒かもしれませんが、古い排水管を使用している家にお住まいの方は、1週間に1回のペースでこのチェックをしてみてください。異変にすばやく気付くことができれば、何十万円という被害を受けずに済むかもしれません。
水道管に使用されている素材には、いくつかの種類があり、素材ごとに鉛管、銅管、鉄管、塩ビ管などがあります。近年は塩ビ管を使用している水道管が多くなっています。金属管とは違い、塩ビ管は腐食が発生することがないので、経年による劣化や老朽化による水漏れの心配がありません。また、薬品に対する耐性も高く、アルミと同程度の強度を持っているため、衝撃にも強いという特徴があります。さらに、その重さは鉛の8分の1、鉄の5分の1程度となっているため扱いやすいです。低温でもろくなったり、紫外線によって酸化したりというデメリットもありますが、一般的な環境下においては塩ビ管が最も使いやすい汎用性を持った素材でしょう。
しかし、塩ビ管が普及しだしたのは1940年代以降です。それまでは、全国の水道事業体で鉛管が使われていました。なぜなら、鉛は欧米でも古くから使用されており、錆びにくく柔らかい材質なので、加工がしやすいという特徴があったため、水道管に適していると考えられたのです。その鉛管を使用した上水道に健康被害の可能性があるという指摘がされたため、昭和50年代の半ばから、鉛管は水道管としては使用されなくなりました。
ただ、だからといってそれまでに作られてきた鉛管の水道全てを鉛管から別な素材に切り替えるということは不可能であり、現在でも鉛管を使用した上水道は一定の割合で存在します。 これは2014年のデータですが、全国の20の都道府県で調査を行ったところ、鉛製の上水管を使用している世帯の割合が10%を超え、347万世帯が使用しているということがわかりました。その中でも最も鉛管の使用率が高かったのが香川県の37.56%です。厚生労働省は、2004年に「水道ビジョン」という水道事業の見通しに関する発表を行いましたが、その中で、「鉛管をできるだけ早くゼロにする」という研究をしていますが、そのまま撤去が進んでいないということがわかっています。撤去は進んでないにせよ、国が先導して鉛管をなくす方針を固めた背景には、鉛が人体に与える悪い影響があります。
鉛中毒とは、その名前の通り、鉛によって引き起こされる中毒症のことです。鉛は一般的な食品にも僅かに含まれていますが、微量であれば中毒症は引き起こしません。しかし、鉛管が使用された上水道の使用を続けるなど、鉛を体内に摂取する習慣があると、中毒症を引き起こしてしまう可能性があります。
鉛中毒の症状には様々なものがあります。主な症状だけでも、貧血、関節痛、嘔吐、強い腹部の痛み、高血圧、骨の痛み、便秘、不妊、頭痛、食欲低下、脱力、感覚喪失、歩行困難、人格変化などさまざまなものがあります。さらに、子供の場合は注意力が続かなくなったり、元気に遊ばなくなったりするなどの症状もあります。そして鉛中毒が悪化すると、錯乱や、急激な眠気、嘔吐、けいれん、発作などの症状が発症し、さらには昏睡状態に陥ってしまいます。記憶障害に陥ったり、精神に異常をきたしてしまう場合もあります。大人の場合は、性欲の低下や、不妊、男性機能低下など、子供を残すことが困難になるような症状も起こります。 このように、一言で鉛中毒といっても、非常に広範囲で体調不良を引き起こすのです。
しかも、鉛中毒は発症していたとしても、何週間、何ヶ月といった期間これといった症状が目に見えないことが多いです。そのため、鉛中毒がすでに発症しているのに気がつかずに、さらに日常生活の中で鉛を体内に取り込み続けるという悪循環が起こってしまいます。初期症状の段階で鉛の摂取をストップすれば、そのまま通常の体調まで回復しますが、脳症まで引き起こしてしまう場合は、鉛中毒が治ったとしても、脳のダメージが一生残ってしまう可能性もあります。
鉛中毒を治療するためには、「キレート療法」という治療法が使用されます。これは、体の中で鉛と結合する薬を処方することによって、体内の鉛を尿の中に混ぜて排出させるという治療法です。食生活や環境の見直しによって新たに体内に取り入れられる鉛の量を減らし、キレート療法によって体内に残っている鉛を排出するという治療が一般的です。
鉛中毒を予防するためには、まず鉛を経口摂取しないように気をつけるということが何よりの効果を発揮します。鉛の含有量を確認するキットも市販されていますので、そのようなキットを使用して食品からの鉛の摂取を防止します。 そして、問題になるのが水道管です。もしご自宅の水道管が鉛製のものであれば、浄水器を取り付けることをお勧めします。浄水器を使用すれば、水に含まれる鉛はほとんど取り除くことができます。また、浄水器がない場合は、朝一番の水道から出る水は飲まないようにしましょう。一晩の間に、水道管内部の鉛が溶け出したものが水道の中に充満し、濃度が上がっている可能性があるためです。まず朝起きたら水道の水を使う前にバケツ一杯程度の量の水を飲み水以外の用途で使用し、それ以降の水を飲み水や料理の水として使用しましょう。
ローマ帝国が滅亡した理由は、宗教的な理由や、ゲルマン民族の大移動、領土が広くなりすぎたために起きた管理不良など、様々な要素があるといわれていますが、その中の一つに鉛中毒があります。当時のローマ人の平均寿命は40歳だったといわれています。これだけ寿命が短かったのは、ローマ人のほとんどが鉛中毒になっていたためです。実際、イタリア全土から発掘されたローマ時代の人骨を調査すると、鉛が高濃度で検出されたそうです。それだけローマ人の体内には鉛が蓄積されていたのです。ローマの場合は、水道管に鉛が使われていたということはもちろん、ワインを作ったり、貯蔵したりする容器として鉛を使用していたということがローマ人の体内に鉛の蓄積量を増やした大きな原因であるようです。鉛は、その加工のしやすさからローマ人に好んで使われました。そして鉛は食べるとほのかに甘い味がして、ワインの甘み成分として使われてもいたそうです。国民全体が重度の鉛中毒で短命になっていては、国が繁栄することなどできませんよね。 言い換えれば、鉛中毒は繁栄を極めた定刻を一つ滅ぼしてしまうほどの恐ろしい症状を引き起こすということです。築年数の古いお宅に住んでいる方は、水道管に鉛が使われているのかどうかを確認した方が良いでしょう。
水道管は、古くなると漏水事故の発生率が上がります。漏水事故が発生すると、当人は「悪くない」と思っていたとしても、驚くほどのお金が必要になるケースがあります。そのため、保険をかける意味でも古い水道管を使用しているご家庭は、水道業者さんを手配して一度状況を見てもらうと良いでしょう。もし、老朽化が進み、あと一歩で破損するという状況が見つかれば、大惨事の予防になりますし、見つからなければそれはそれで、そこから先安心して生活できるようになります。また、もうひとつ心配なのは鉛を使用した水道管です。鉛には前述のように強い中毒作用を引き起こす性質があります。
毎日のように使う水ですから、そこに毒性のある成分が混ざっているのはたまらないものです。上水道の鉛管からの取替工事は、自治体によって補助金が出ますので、一般的な水道工事に比べれば安い価格で施工してもらうことができます。健康はお金では買えないものですので、気づいた段階ですぐに取替え工事をするのが良いでしょう。
水道の蛇口の水漏れなどとは違い、水道管の水漏れについては素人が簡単に終了することはできません。 洗面台の下に通っている水道管のつなぎ目のナットが緩んでいる程度であれば、簡単に修理が可能ですが、そもそも、水道管の破損した箇所が目に見える場所にあるとは限りません。
むしろ水道管の全長後ほとんどの部分は目に見えない部分に埋まっています。地面の下、壁の中、床下などを掘り起こして終了するとなると、素人が手を出すのは危険です。ただし、水漏れ箇所が表面に出ている場合は、自信がある人であれば修理することは可能です。ただし、それによって破損を悪化させてしまったり、より水漏れの量が増えてしまったりという危険性もあるので、あまりお勧めはできません。
破損している箇所が目に見えており、どうしても自分で修理したいという場合は、その症状によっては修理可能です。大まかな手順をお伝えしていきます。
水道管から水漏れが発生している場合は、ある月に突然水道料金が上がり、気づくことがほとんどですが、そうなってからでは手遅れです。築年数が30年以上のご家庭は、何のトラブルもなかったとしても、一度、専門の業者に依頼をし、水道管のチェックをしてもらうと良いでしょう。